COP19

11月11日から23日までポーランド・ワルシャワにて開催されていた、COP19に出席しました。

国内発表v1COP19に先立ち、安倍総理を本部長とする地球温暖化対策推進本部が開かれ、我が国の2020年度の温室効果ガス削減目標を、私が提案した通り「2005年度比で3.8%減とする」ことが了承されました。以前、民主党が掲げた25%削減は、2030年には全電力の50%を原発で賄うという非現実的な目標でした。そこでこれをゼロベースで見直し、実現可能で、かつ最大限な目標として3.8%減を決定しました。一見すると低い数値に見えるかもしれません。しかし2020年時点の原発の稼働状況が見通せない中、削減目標には原発による削減効果を含めることはできません。ですから3.8%減を達成するには、現時点でも世界最高レベルの日本のエネルギー効率を、更に20%改善することが必要です。言い換えると、日本全体のエネルギー消費量を30万トンのタンカー130隻分(原油換算で4,400万キロリットル)削減しなければならないのです。

また、私がCOP19に参加する直前、2008~12年の日本の温室効果ガスの平均排出量が確定しました。速報値によると、日本の排出量は1990年比で8・2%減となり、京都議定書において日本が目標とした「6%削減」を達成しました。地球環境への日本の貢献が、こうして具体的に示されたことは、COP19の交渉においても、重要な意味を持ちます。

cop演説v1COP19の閣僚級会合では、まず日本の立場を表明する演説を行いました。
日本は、いまだ東日本大震災からの復興の途上にあること。そんな厳しい状況下でも、日本国民は一丸となって努力し、京都議定書で掲げた削減目標を達成したこと。さらに、今回の削減目標は原発による温暖化ガスの削減効果を含まない現段階のものであって、エネルギー政策の進展を踏まえて見直し、さらに深掘りしていくこと。そのためには現段階においても既に世界最高水準にある日本のエネルギー効率をさらに20%も改善する必要があるが、日本は国をあげて目標を達成するための努力を続けること。これらの点について、参加国にしっかりと説明しました。

JCMクラブv1その後、更に各国TOPと会談を行い、日本の立場をきちんと説明していきました。特に途上国には、日本は国際的な環境協力の仕組みとして、JCM(二国間オフセットクレジット制度)を提案しています。途上国の工場は開発が最優先され、温室効果ガスを大量に排出しがちです。そこで、日本の環境技術で、途上国に温暖化ガスの排出が少ない工場を建設します。その温室効果ガスの削減分を両国で分け合うのです。つまり温暖化ガスの削減と発展を両立する新しい制度です。今回、この新しい制度を行うことで合意した8つの国、エチオピア、インドネシア、バングラデシュ、ケニア、ラオス、モルディブ、モンゴル、ベトナムの代表と、美しい地球を目指す、ACE(Action for Cool Earth)クラブを結成しました。

最終日v1今回のCOPでは、私のステートメントや二国間会談を通じて、日本の「新たな目標」や「攻めの地球温暖化戦略」について丁寧に説明し、日本が真摯に気候変動対策に取り組んでいると各国に理解いただけたと感じています。また、我が国が提案している新たなプロジェクト・JCMに署名している国が始めて一同に会し、ACEクラブを結成することもできました。日本の優れた環境技術を駆使し、地球の危機を救うことができると、私は確信しています。

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