水俣条約採択

平成25年10月10日「水銀に関する水俣条約」(the Minamata Convention on Mercury)が、140の国の代表の賛成を得て採択されました。この条約は水銀汚染による健康被害を防ぐための地球規模の取り組みです。輸出入による水銀の使い方を限定すること、水銀の大気・水・土壌への排出を減らすこと、水銀やその化合物、水銀廃棄物が環境に害を与えない様に管理すること、途上国への技術資金援助、等を定めています。

写真_献花この水俣条約の前文には、「水俣病を教訓として、水銀汚染による同様の公害の再発を防止する」と明記されています。会議の前に、約140の国から集まった500人以上の水俣会議参加者のみなさんと共に、水俣病犠牲者の方々に黙とうを捧げ、献花をして参りました。日本には、経済活動を最優先した結果、環境汚染や公害に苦しんだ時代がありました。その経験から我々は、環境を大切に生きることを学びました。過去の悲劇を二度と繰り返さないよう、世界中に水銀被害防止のネットワークを広げていくという決意を、この水俣の地で共有することができました。我々は、過去の教訓を活かし、前に進んで行かなくてはなりません。

会議では、私はホスト国の担当大臣として議長を務めました。この日を迎えるまでには、10年の月日をかけ、日本が世界の国々をリードしてきました。日本の地名を冠した国際約束はこれが四つ目です。水俣の名に恥じない素晴らしい条約ができたことは嬉しい限りです。条約は50カ国以上の各国内で承認された後、90日後に発効します。次のステップは、この条約に一日でも早く、そして一つでも多くの国に参加して頂くことです。全ての国から水銀による公害がなくなるよう活動を続けていきます。
水俣条約_議長v1UNEP共同声明v1

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