南太平洋の島国、ツバルを訪問しました。
まずイタレリ総督とお会いしました。ツバル国王はイギリス王室が兼ねているため、総督はこの島国のシンボル的な存在です。気候変動の影響が世界中で最も大きいと言われるこの小さな島国で、日本の支援は非常に感謝されています。イタレリ総督からも、実際に日本の協力がどのようにこの国で活かされているか、しっかりと見て下さい、と言って頂きました。
ソポアンガ首相との会談では、気候変動による海面の上昇、人口集中と急激な都市化など、具体的で詳細なお話を頂きました。気候変動という地球規模の問題に対し小さな島国ツバルが一国でできることは限られているかもしれないが、できるだけ多くの国々と連携し、改善の糸口をつかみたい、と力強く語られました。
以下でツバルの抱える問題と日本の貢献をご紹介します。
まずはゴミ問題から。
ツバルではゴミは、焼却等せず圧縮して処分場に積み上げるだけなのです。土地の狭いツバルでは、このままではすぐにゴミでいっぱいになってしまいます。また、第二次大戦時に米軍が飛行場建設のための採石した大きな穴(ボローピット)があいています。その穴にゴミが不法投棄され、満潮時には海水が入り込みます。さらに下水がそのままそこに流れ込み、大変不衛生な状態です。政府ではボローピットの埋立を考えているのですがその土が無く、外部から土を取寄せると大変高くついてしまいます。
そこで、ボローピット、ごみ処理、下水処理の3つを、うまく組合わせることにより解決する方法を探る試みが検討されており、JICAや環境省も協力していく予定です。
次に、水資源に関して。
飲み水を雨水に頼っていたツバルに海水淡水化装置が導入されました。私は開所式に立ち会うことが出来ました。また、これまでは高価な輸入した燃料でしか発電出来ませんでしたが、今回太陽光発電の施設も建設され、淡水化装置を再生可能エネルギーで運転できるようになりました。
これらの施設は日本の援助によるものです。日本の技術・援助がこういった場所で役立っているのは本当に嬉しいですね。
最後に国土保全について。
ツバルの平均海抜は2m以下です。また一部海岸の浸食が進んでいます。気候変動により一層の悪化が懸念されています。ツバルの地面は星砂という、有孔虫の殻によってできています。ツバルの自然を守りつつ国土を補強することは簡単ではありません。そこで、JICAや東京大学の協力のもと、星砂を養殖する「星砂プロジェクト」を進めています。また、地盤強化のためのマングローブの植林等も進めています。
島国日本は特に、規模の大小はあれ、これらの問題と無縁ではあり得ません。多くの国々と協力して、美しい環境を守っていきたいですね。
最新情報はFacebookでご覧ください。