同級生交歓
同級生交歓 <文藝春秋 2005新年特別号>
衆議院議員 石原伸晃
慶應義塾大学先端生命科学研究所所長・環境情報学部教授 冨田勝
目本画家・京都造形芸術大学副学長 千住博
映画監督 望月六郎
私達は慶応普通部で出会い、六年間、共に学んだ。久々に顔を揃え、皆35年前と同じ、と笑いあった。石原は国会へ。政策通として知られ行革大臣、国交大臣を歴任。みるみる間に私達の追いつけない位立派になっていったが、ユーモア濫れる人柄は昔と全く変わっていない。
望月は賞を総ナメの映画界期待の監督。心のひだを若さにおりまぜて描かせれば右に出る者はいない。かつてのガキ大将は、画面の中では永遠のガキ大将のままである。
冨田は23歳で渡米し人工知能で理学降士。その後、電気工学で工博、分子生物学で医博と三つの博士号を持つ、留学時代は頭脳流出と騒がれたが、今はバイオ分野で慶大教授。普通部時代の初論文はなんと「ポーカー必勝法」だった。
一方、私は東京芸大絵画科へ進み、国際舞台の発表に追われながら京都造形芸大副学長のも担う。周りが目から鼻に抜けるような秀才ばかりの普通部時代はぐずぐずしてばかりの存在だった。(千住)
東京・紀尾井町 文藝春秋にて(撮影本社写真部)