3月後半

答弁1_13月29日、参議院本会議にて平成28年度予算案の採決が行われ、賛成多数で可決、成立しました。一般会計総額96兆7218億円。一億総活躍社会の実現に向けた予算です。予算が年度内に成立したことで、すでに成立している補正予算と、今回の本予算が切れ目なく執行され、必要な事業を行うためのお金が日本中に流れる体制が整いました。このところ世界経済の変動にもまれている日本経済の安定にとって重要なことです。

後半国会の焦点の一つはTPPとなります。政府は、3月8日にTPP協定と、関連する整備法案を国会に提出しました。TPP協定の締結について国会承認を求めるとともに、協定を実施するために必要不可欠な、11の国内法の規定の整備を一体的に審議いただくものです。もちろん、農業に従事されている方々を中心に、TPPに対する不安の声が、まだあることは十分に承知しています。ですから、政府が丁寧に説明をしていくということが大切です。また日本が率先して動くことによって、他のTPP参加国に協定の早期発効への機運を盛り上げていく意味もあります。そうした点からも大変重要な審議になると思います。

3月16日から、経済分析の専門家の方々を講師に招き、国際金融経済分析会合を開催しました。
スティグリッツ1.1_2第1回目の講師は、ジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授。スティグリッツ教授は、売手・買手の間の情報の差によって市場が理想的に機能しないという、情報の非対称性理論の研究でノーベル経済学賞を受賞。また、かつて世界銀行や、米国大統領経済諮問委員会などで要職を務めるなど、実務経験も豊富です。スティグリッツ教授は、現在の世界経済の低迷の原因は、先進国のサプライサイド改革の結果によるものとし、立ち止まって様々な政策を見直す必要性を訴えられ、特に格差の是正を強調されました。アベノミクスが各国の手本になることを期待しているとのことでした。また今年の伊勢志摩サミットでは、世界経済の需要不足に対し、協調して財政出動することで需要を創出することが可能であり、様々な政策提言を期待している。特に議長国の日本に期待しているとのことでした。

ジョルゲンソン_117日に行われた、第2回会合では、投資理論や生産性分析などで実績のある、米ハーバード大のデール・ジョルゲンソン教授、元日銀副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長を講師にお招きしました。ジョルゲンソン教授は会合で、日本の生産性を向上するために、岩盤規制を廃し、競争を促していくことが重要と主張されました。また岩田氏は成長戦略や金利政策を進め、デフレのリスクを減らしていくことの重要性を訴えられました。

クルーグマン_122日に行われた3回目は、ポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授をお招きしました。クルーグマン教授は、新たな国際貿易論と経済地理学の確立により、ノーベル経済学賞を受賞。また、米政権やIMFなどでの実務経験も豊富です。メディアを通し国際経済に関して多くの提言もされています。クルーグマン教授は、現状の世界経済の弱さを指摘され、国際的な協調による財政政策が必要であること、日本はより財政政策に力を入れるべきことを訴えられました。
引き続きエキスパートの方々の意見をお伺いし、国際金融、経済の分析を続けていきます。スティグリッツ_1
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