地熱発電

地球温暖化防止のためには、化石燃料の使用を減らす必要があります。そのため再生可能エネルギーは世界的な注目を集めています。資源小国日本では、エネルギー確保の点からも、再生可能エネルギーへのニーズは一層大きなものがあります。私は今後の日本の目指すべき姿は、既存の大規模発電所を核とした中央集権型ネットワークと、再生可能エネルギーを核とした自立分散型ネットワークの併存だと考えています。
八丁原v1

再生可能エネルギーの中でも地熱発電は、天候に大きく左右される風力や太陽光より安定した力を発揮します。火山国日本には地熱発電の適地が多く、実は世界第3位の地熱資源量を有しています。自律分散型エネルギー社会の核の一つとなる可能性を持っています。


大分県玖珠郡九重町の八丁原地熱発電所は、日本最大級の地熱発電所です。周りを阿蘇くじゅう国立公園の九重連山や、耶馬日田英彦山国定公園の山々に囲まれており、豊かな自然環境との調和を図るため、最小限の土地面積で開発されました。
この発電所の出力は110MW。約20万世帯分の発電能力を持っています。吹き出す熱気に大地の息吹と日本のエネルギーの将来を感じます。

バイナリー発電機

バイナリー発電機

長年の使用により、温度や圧力が下がった井戸は、低い温度の水蒸気でも発電できるバイナリー発電に用いられ、地熱資源が有効に利用されています。バイナリー発電は、沸点の低い媒体を地熱で温めて蒸気を作る方法で、既存の温泉にも応用出来る技術として期待されています。

 

杉乃井ホテル発電機v1

吹き出す水蒸気v1

左の写真は、くじゅう連山を降りて、海沿いの別府温泉杉乃井ホテルの発電所です。出力は1.9MW。約2600人が宿泊可能なホテルの使用電力の、およそ半分を発電しています。蒸気井からは、轟音とともに水蒸気が噴き出していました。